―『真・鮫島事件』は、街の人々もみなマスクをしている、完全に“コロナ以後の世界”が舞台になっています。企画の持ち上がった時期、撮影はいつ頃されたのですか?
「企画自体、コロナが起きてから持ち上がったそうで、撮影は9月に行われたばかりなんです。短期間で撮影し、仕上げられた映画なので、本当に編集は大変だったと思います」
―本作は、2ちゃんねる発の都市伝説“鮫島事件”を原案に、リモートを介して呪いが拡散するパニックホラーです。脚本を読んだ時、撮影中、そして完成作を観た際に感じた恐怖を教えてください。
「『私が演じた菜奈がずっと追いつめられている』という心境を頭で描きながら脚本を読みました。このシーンがどう怖くなるのかな、きっと怖くなるんだろうな、などと考えていた感じです。リモート飲み会の最中に起こる出来事を描いているので、一人のシーンが多くて、より想像力を働かせて演じていました。そして完成した作品は、展開がわかっているとはいえ、怖くて直視できませんでした。効果音が加わったり編集されたりもありますが、ここまで怖くなるのか!と驚きましたね。特にお兄ちゃん役の佐野岳さんが終盤で、ある襖を開けるシーンは…1度目は驚いて顔を伏せ、2度目に観た時は最初から完全に目を覆っていました(笑)」
―“想像力を駆使して怖がる演技”をされたとのことですが、目の大きな武田さんと、ホラーとの相性の良さを感じました。
「ホラーは基本的に苦手なんですけど…ありがとうございます(笑)。何しろほとんどの場面が、リモート画面を覗いているので、画面に向かってお芝居をしている感じでしたが、どうにか出し切らなければ、という気持ちで表情にも全力を尽くしました。ほぼ順撮りで進めていただいたので、終盤に向けて気持ちは作りやすかったです。また監督から、洗面の鏡の扉をバンと音を立てて勢いよく閉めると、閉めた鏡に何かが映るかもしれないと怖く感じるなど、“ホラーあるある”のテクニックを教えていただきました」