―アニメーション映画「二ノ国」(8/23公開)で、エスタバニア王国の征服を狙う黒旗軍の最高指導者、ガバラスを演じられた感想を教えてください。
自分の感情をさほど無理せずフィットさせ、クライマックスまで流れていくことができたと思います。台本の構造的にも、絵の演出的にも、ガバラスは映画後半でエンジンが急にかかり急発進していく感じではありましたが、演じやすい役だったと感じています。
―津田さんは舞台などで活動もされていますが、俳優と声優で役作りに違いはありますか。
基本的には変わりませんが、声優の場合は、多少ニュアンスを強めに出します。声優は多くの場合、既に“画”が存在し、それに声をあてる作業なので、画の表情がどうなっているのか、あるいは絵が醸すキャラクターの“感じ”や状況をどう捉えて声を出すか、ということになります。
―演じ方には、どのような違いを感じますか。
一番違うのは“間”ですね。実写の場合は、あと1拍おいてから喋りたいとか、自分の間を置くということができますが、アニメの場合は、画が喋っているので、それに合わせないといけない。あとは、実写のドラマや映画では使わないような言葉遣いが、アニメや吹替にはよくある、ということでしょうか。その辺りは、テクニカルなことで乗り越えるしかないのですが……。
―日常生活で使わない言葉遣いは、発する際に違和感がありませんか?
例えば「なんだとぉ」という言葉など、僕は生まれて一度も使ったことがないですし、「貴様、なにぃ?」なども、普段は言ったことがありません。最初はそれが難しいと思っていましたが、そういうものも違和感なく言えるようになってきました。