―5/15(金)公開「ラブ×ドック」は目移りするような楽しさにあふれた、かわいい恋愛映画でした。女子心をくすぐるアイテムの数々―― スイーツ、金魚、熱帯魚、ファッション等々、見ているだけでもテンションが上がりました!
確かに、当時45歳のおっさんが監督した映画にしては、かわいいものになっていますよね(笑)。 僕、本職が放送作家なので、自分の得意な部分を生かして作りたいと思って。 スイーツデコレーションは渡辺おさむさん、金魚まわりはアートアクアリウムプロデュースの木村英智さん、 タイトルデザインにはイラストレーターのShogoSekineさんなど、僕の中にはない色で他の人の力を借りられるなら 借りた方がいい、と思って協力をお願いしました。単純に絵が楽しくなりますから。 音楽の加藤ミリヤさんもそうですが、そういうサービスカットを恥ずかしげもなく入れることに、全くもって僕はてらいがないので
―ヒロインの飛鳥役の吉田羊さんは、あて書きになるのでしょうか?
いや、脚本を書いた後にお願いしました。アラフォーの恋愛映画で主役を演じられる人って、実はあんまりいない。 若くして売れていた人は新鮮に見えないし。その時点で羊さんはまだ“恋愛もの”の蓋を開けていなかったので、すごくいいなぁ、と
―飛鳥の親友で、シングルマザーの千種を演じた大久保佳代子さんも、素晴らしかったですね。
数年前に舞台で大久保さんとご一緒したとき、彼女に“熟女でブスのAV嬢”をやってもらって、すごく上手かったんですよ。 芝居ができることは分かっていたし、千種のバツイチでシングルという設定も合うので
―その2人の力関係、千種が飛鳥に“私のことをずっと見下していたのね”というセリフなど、非常にリアルでした。
まさに、それが言いたかったことです! 女性って、美人とそうじゃない人が友達同士って結構ありますよね。女の怖さがよく出ている。 うちの奥さん(森三中の大島美幸さん)がよく言うのですが、若い女の子が女芸人を見て『かわいい~』って言うのは、 上から見ているからだ、と。もし自分の男をその女性に取られると思ったら、絶対に『かわいい~』なんて言わないですよ
―なるほど…。そんな飛鳥も最後は反省しますね。
結局、飛鳥も『どこかで千種を見下していた』と認めたからこそ反省した、ってことですよね。 僕の観察によると、美人って40歳、50歳になってくると劣化が目立つんですよね。 それに対し、60~75点くらいだった女性は、劣化が緩いんですよ。 それでどこかの時点で、“美人”と“そこそこの女性”のグラフが交差するんです。65点の人はそれを分かっていて、 “追いついたぞ”と。美人の誰それは目の皺がすごいな、とほくそ笑むんです(笑)。美人だからと言って幸せになれるわけではない、とか、 40歳になると色々なことが見えてきて、色々な価値観に気づく、というのも飛鳥の一つのテーマです