THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE23 女優 神田沙也加

気持ち的にドーンと構えて演じました

― 島ネズミの潮路(しおじ)というキャラクターですが、演じた感想はいかがですか?

GAMBA ガンバと仲間たち

潮路という子はガンバに対しての裏の主人公でもあったので、わたし自身少しピリッとして臨みました。物語の後半に行くにつれて、唯一の女の子のキャラクターである彼女が、どんどんと強さを見せていって、男の子たちを引っ張っていく。その成長の過程を描いていくことで、潮路のバックストーリーも描いているので、気持ち的にドーンと構えて演じましたね。
この『GAMBA ガンバと仲間たち』は、幅広い年齢層の映画ファンの方々に観ていただける作品になったと思うので、公開になった後の皆さんの感想や反応が楽しみです。

― 潮路は意思が強く、気丈にふるまう性格でしたが、声のトーンは工夫しましたか?

最初に自分で考えていた彼女のトーンを披露した時に、高い、低いと音の調整のようにご指導いただいて。だから潮路の理想的な声を探す過程はありましたが、それほど皆さんとのイメージが離れてはいなかったので、スムーズに決まったとは思います。

― 彼女を演じていて、楽しかったシーンはどこでしょうか?

楽しかったというよりは、最初からシリアスなんですよね。シリアスな局面に置かれている子なので、すべての戦いが終わって安堵の表情になっている時が、本当に束の間の安息なんです。最後も切ないので、映画が完成して試写を観た時に自分と会話している共演者の方の声を聞いて、初めてホッとしたほどでした(笑)。

イオンシネマさん、最近強いとうかがっています(笑)。

GAMBA ガンバと仲間たち

― 普段シネコンで映画を観る際は、どういう風に楽しみますか? パンフレットやポップコーンなどを買うこともありますか?

シネコンで映画を観る時は、事前にインターネットで座席を毎回予約して、劇場に行ってチケットを発券しますね。ポップコーンは必ずチェックしていて、その日食べなくても何か新しい商品が出ていないか調べちゃいますね(笑)。最近はポップコーンだけじゃなくて、ホッドドックやアイスクリームも置いているので、そういう商品は絶対チェックしちゃいます。

― ご自分の出演作も公開後に観ますか?

今回の『GAMBA ガンバと仲間たち』のような、ボイスキャストで参加させていただいた作品は観ますね。実は『アナと雪の女王』何度も観ちゃいました(笑)。実写とは全然違って、実写の場合、もっとこうすればよかったという反省点が目に付いちゃいますが、ボイスキャストの場合はフラットに、いち観客として、映画を楽しめるような気がするんです。言葉の使い方が違いますが、目を皿のようにして観ています(笑)。

神田沙也加

― 「イオンシネマ」は独自のサービスを展開していてご好評をいただいておりますが、“もっと、こういう映画館になってほしい”など何かリクエストはありますか?

イオンシネマさん、最近強いとうかがっています(笑)。以前、映画の舞台あいさつなどでお邪魔した時に、スタッフさんたちが手書きで似顔絵やキャラクターを切り貼りして飾りつけをしてくださったことがありました。そういう展示って映画を楽しみに来た人たちのテンションで考えると、絶対に撮って帰りたいものだと思うので、そういうポップももちろん、キャラクターのパネルなども増えると楽しいですよね。

― シネコンへの来館そのものが目的になるほどのエンターテインメント性は素敵ですよね。

『アナと雪の女王』の時は氷の世界の装飾になっていて、そういうエンターテインメント性がいいですよね。劇場の中はもちろん映画そのものが引っ張るので、ロビーでも楽しめる展開があると面白くなると思います。アミューズメント化していくといいですね。

アナの時もそうでしたが、子どもたちの記憶に残る作品に出会いたい

神田沙也加

― 潮路(しおじ)は芯の強いヒロインでしたが、この先挑戦してみたいキャラクターはありますか?

以前のミュージカルで「ピーターパン」を3年間やっていて、その時のウェンディが大好きでした。「赤毛のアン」の時もアンが大好きでしたが、有名な原作がベースにある作品の場合、子どもたちが観た時に、それがファーストウェンディだったら、わたしがウェンディになってしまうじゃないですか。その後の責任がありますよね。そういう意味では『GAMBA ガンバと仲間たち』も子どもたちに寄り添っている作品なので、責任があると思う。
そういうことを考えることも好きだし、その子の人生の記憶に残ることもうれしいです。アナの時もそうでしたが、子どもたちの記憶に残る作品に出会いたいですよね。

― その子どもたちに伝えたいことはありますか?

いま、自分が毎日過ごしていて興味があることや、行ってみたい場所があるとしたら、そういうものへのあこがれを、大人になるまでできるだけ持ち続けてほしいです!

― 最後になりますが、映画を楽しみに待っている方へメッセージをお願いいたします。

完成披露試写会でのあいさつでも言いましたが、ノロイの恐怖に震えながら観て、2D版と3D版を両方観たいなっていう映画に久々に出会いました。
人間一人だと、何かに立ち向かうことが難しいことがありますよね。わたしも友だちなどに悩みを相談する時に同意をしてくれると安心はするけれど、先に進むかというと、その場にいるだけのこともあります。だから、叱咤激励してくれる意見も大事にしようと、そんなことも思いました。いろいろな受け止め方ができると思うので、是非、映画館でご覧ください。

Profile


							1986年10月1日生まれ。「レ・ミゼラブル」ほか、数多くのミュージカルに出演。透明感のある歌声と演技力に定評がある。国民的大ヒットを記録したディズニー映画『アナと雪の女王』日本語吹替版でアナ役を担当し、第9回声優アワード主演女優賞を受賞。ギタリストであるBillyとのユニットTRUSTRICKでは、ヴォーカルを務めるなど、多方面で活躍中
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

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