―今回の『リトル・マーメイド』、ご覧になった感想はいかがですか?
アリエルをはじめ、エリック、トリトン王などキャラクターの心情がよりクローズアップされ、より繊細に描かれていると思いました。もちろん『リトル・マーメイド』の基本のストーリーがありながら、それぞれの想いを個々にクローズアップしていますよね。なのでより共感できる、自分たちに近いテーマを受け取れるような見方が出来るなと思いました。
―物語が厚くなったので、その分見応えがあるドラマ展開でしたよね。
そうですね。なぜアリエルとエリックが結ばれたのかも、より丁寧に描かれているので、わたしたちにも起こり得る、信じられる愛の形になっていて、実感が持てるなと個人的にも思いました。あとは映画をご覧になった方たちが「わたしの中にもアリエルがいるんだ」と信じられるような、ウソがないような印象を強く受けました。
もちろん観る人によって共感ポイントが違うでしょうし、共感の仕方も違うと思いますが、自分の中に共鳴できるものがあるはずで、それはわたしも演じながら感じたことでした。アリエルを演じていたというよりは、本当に気持ちで表現させていただいた感じです。
―アラン・メンケン作曲のおなじみのナンバーも聞き逃せないですが、好きな曲、好きなシーンはどこでしょうか?
「アンダー・ザ・シー」も大好きですし、「キス・ザ・ガール」もかわいいですよね。スカットル、セバスチャン、フランダーが出てくるシーンは本当に最高でした。収録中も悲しいシーンや、自分が収録に行き詰まった時など、3人のシーンを観ることで元気付けられていました。フランダー役の野地祐翔君の声を聞いてかわいいと思いながら、また、応援したくなるなと思いながらも、わたし自身も癒されていました(笑)。
―もともとアニメーション版の『リトル・マーメイド』がお好きだったそうですが、作品のどこに魅力を感じていたのですか?
一番はアラン・メンケンさんの音楽に惹かれていたと思います。最初のイントロダクション、オーバーチュアから海の世界が想像できますし、泡も目に浮かびますよね。あの音楽で表現されている海の中の世界に惹かれました。そこにキャラクターの魅力、アリエルのかわいさですよね。天真爛漫でお転婆で、真っ直ぐに突っ走っていくところとか、そういうキャラクターの魅力に惹かれましたね。
―今回、アリエルを演じるにあたり、何を一番大切にしましたか?
等身大でいることを一番大切にしました。アリエルはとても純粋で、ありのままの等身大の女の子というか、誰もが共感できる、象徴っぽい描かれ方をしているなと個人的には思いました。外へ飛び出したい気持ち、わくわくしたい気持ち、恋をしたい気持ち、そういうことが全部つまっているキャラクターなので、その等身大な感じを大事にしました。
―それが先ほどのみんなが共鳴する理由でもありますよね。
外に出て行ったら声が出なくてしゃべれなくて、悲しい思いをして傷ついてしまう。みんなが生きている中で感じたであろう感情がギュとつまったようなキャラクターだなと思ったので、わたしが普段感じている気持ちを歌に乗せようと、そういうことをとても大切にしました。上手く歌おう、上手くセリフを言おうとするよりも、気持ちを込めるように。もちろん技術的なことも頑張ったのですが、ハリー・ベイリーさんの無邪気な感じも受け取ったので、気持ちを大事に、背伸びをしないように演じました。
―映画館で映画を観る時、ご自身なりの楽しみ方はありますか?
わたしは映画に没頭したいタイプなので、なるべく真ん中の座席か、後ろの席で観たい派です。音響も含め、シンプルに楽しむというよりは、没頭したいんです。広い視野で観られるので、そういう意味でも映画館は好きですね。『リトル・マーメイド』が公開されたら観に行きます(笑)!
―映画館で最初に観た映画や想い出の一本は何でしょうか?
偶然ディズニー作品なのですが、『美女と野獣』です。当時はまだ子供で遅い時間に観に行って、とても眠かったのですが、最初のステンドグラスのシーンをとても鮮明に覚えています。大好きになりました。
―最後になりますが、『リトル・マーメイド』をご覧になるみなさんにメッセージをお願いいたします。
本当に今未来が不安だったり、「この先どうなるんだろう?」と私自身も思うことがありますが、でもこの作品は自信をもって夢を持てるというか、自分自身が生きていくなかで夢を叶えられるんだと実感できる作品だと思うんです。全然大きなことでなくてもよいのですが、自分の中に夢を感じられたり、一歩踏み出してみようかなという、そういう気持ちになれる作品だと思うので、ぜひ映画館にきていただきたいなと思います。