THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/voice121 俳優 吉瀬美智子

タカ&ユージは、あのおふたり以外に代わりはいない

帰ってきたあぶない刑事

人気シリーズ最新作の『帰ってきた あぶない刑事』ですが、出演が決まった時はいかがでしたか?

『あぶない刑事』に出られるんだって、とても興奮した覚えがあります。やっぱり自分が以前から観ていた作品に一緒に関われるということと、それも映画版で一緒にスクリーンに収まることが出来るということで、とても興奮しました。まさか“あぶ刑事”に出られるとは思っていないじゃないですか。「えー! 何役ですか?」と聞いた覚えがあります(笑)。そこで謎の美女、ステラ・リー役と聞いて、さらに「えー!?」と(笑)。謎が深まる印象でした。

帰ってきたあぶない刑事

―同シリーズではハーレーにまたがりショットガンをぶっ放すタカ(舘ひろし)や、全力疾走で躍動するユージ(柴田恭兵)の活躍が毎回のお楽しみですが、ふたりが誕生した38年前と同じようにド派手かつスタイリッシュなアクションを繰り広げる変わらない姿が印象的ですよね。

そうですよね。まさかバイクスタントをご自身でやられるとは、失礼ですが、あの年齢ですごいことです。ご本人たちは「もう体力が落ちたよ」と言われていましたが、“あぶ刑事”を代わりにやれる方、誰もいませんよね。あのスーツを着こなす細さ、サングラスをあんなにカッコよくかけられる代わりって、誰もいないと思うので本当に貴重だなと思いました。しかもおふたりとも本当に色気もあり、むしろ昔に比べて今のほうが色気があるのではという気もしました。

毅然として芯のある女性像を頭の中に描いていました

帰ってきたあぶない刑事

―演じられた謎の美女、ステラ・リーはミステリアスなキャラクターですが、演じる上で何を大切にしましたか?

タカ&ユージ、このおふたりに好意を持っていただかないといけない女性役なので、毅然として芯のある女性像を頭の中に描いていました。なので撮影中もタカさんがバックハグをするということで、スクリーンには映らないのですが、エルメスの香水を付けることにしました。その香りで思い出してほしい……じゃないけれど、わたしなりにそういう工夫はしました。

あとは、衣装がとにかく独特なんですよね。あの毛皮のコートを着こなさなければいけないということがありましたので、それに負けないように姿勢よく、凜としていて、ヒールが似合う女性であろうとしました。おふた方が「なんだ!?」と気になるような存在でいなければ、という想いはありましたね。

帰ってきたあぶない刑事

―本当に“あぶ刑事”感があるゴージャスな衣装です。

なかなか派手ですよね。「あの毛皮はなかなか着こなせない」と舘さんがおっしゃってくださって。ほめ言葉だとわたしは受け取らせていただきました(笑)。

舘さんと柴田さんのセッションで面白くなる“あぶ刑事”

帰ってきたあぶない刑事

これほどまでに長く愛される『あぶない刑事』の魅力は、どういうところにあると思いますか?

台本を読んだ時に、どうやって映像としてあそこまで面白くするのだろうと思ったのですが、現場に入ってみると舘さんと柴田さんがセッションで肉付けをたくさんしていくんです。だから台本上よりも面白くなるのは、おふた方がアイデアを現場に持ちより、いろいろとセッションしながら現場で作り上げているからなんだということを感じたんです。

なので、普通に文章でちょっと書いてあることでも、おふたりがやっていると面白くなったりして。こうやって『あぶない刑事』の歴史は作られて来たんだなあと思いました。最初、そういう撮り方をされるということが分からなかったので心配になって聞いたこともあったのですが、おふたりの掛け合いはもう出来上がっているので、安心して見ていられました。

帰ってきたあぶない刑事

―最後になりますが、映画を観る方へメッセージをお願いいたします。

タカ&ユージは衰えていないですし、ファンの方でも、あまり知らない方でも、ここから観たとしてもちゃんと楽しめる作品になっていると思います。アクションもあり、笑いもありなので、ぜひたくさんの方に観ていただけたらなと思います。わたしで言うならば、舘さんとのラブな部分もぜひ観ていただけたらと思います。

Profile

吉瀬美智子 俳優 謎の女、ステラ・リー役 1975年2月17日生まれ、福岡県出身。雑誌「Domani」の専属モデルを経て、2007年に女優デビュー。以後、『LIAR GAME』(07/CX)や『ブラッディ・マンデイ』(08/TBS)などで注目を集め、2011年に「ハガネの女」(10/EX)で連続ドラマ単独初主演。映画では、2010年、『死刑台のエレベーター』にて映画初主演を果たした。近作に『明日を綴る写真館』(2024年公開、アスミック・エース)。
取材・構成/鴇田 崇

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