― 「花とゆめ」で連載中の、とても少女コミックらしい原作の映画化ですが、出演が決まった際に感じたことを教えてください。
志尊:
まず肝になるのは、漫画で描かれている音楽の躍動感だな、と。読者の方々の想像や妄想に負けないくらい、躍動感を出す意気込みがないと絶対にダメだな、と思いました
中条:
ニノ役は“歌”がとても大事な要素になるので、最初は不安もありました。でも覆面バンドというコスプレ要素が、すごく楽しみでした(笑)
小関:
原作は、知り合いの衣装さんをはじめ、妹やその周りの女の子も読んでみんな影響されていたんです。そんな憧れが詰まった作品に携わらせていただけるなんて、すごく嬉しかったですね!
― 肝心の音楽やその演奏は、どのように作り上げていきましたか?
中条:
私は、これまでカラオケにほとんど行ったことがなかったのですが、役に決まった時、20人くらいの前で歌うことになって、緊張のあまり声が裏返りました(笑)。基礎のボイストレーニングから始め、ニノらしさを声に出していく試行錯誤中で、段々と歌うことが好きになって。屋上でニノが歌う(アカペラで)シーンも、すごく気持ちよかったです!!
志尊:
僕はピアノもギターも初めてでしたが、少し弾けるようになると、嬉しくて楽しくて。最初、ピアノで弾くフレーズを1日で覚えられたのが嬉しくて、そのまま秋葉原にキーボードを買いにいき、練習して、勢い込んで撮影に臨んだら、本番前に曲が変更になって(笑)。どうにか1時間でマスターしました
小関:
僕は元々よくギターを弾いていましたが、今回はベースなので、グウィ~ンと音を鳴らすテクニック等々がまた違い、泣きたくなるくらい大変でした(笑)。ちょうど舞台をやっていたので、休憩の度に楽屋に戻り、イギリス人役の衣装のまま練習して。あやみちゃんは元々ピアノが弾けるから、ギターの上達も早かったんじゃない?
中条:
確かにそうかもしれないな。私、撮影初期に初めてバンドで演奏した時、思わず感動して泣いちゃった(笑)。バンドってこんなに気持ちがいいのかって、色んな思いが溢れて、感動がそこで完結しちゃった感じ(笑)?
志尊:
完結するのは早いよ(笑)。でも、すごく分かる! 僕たちみんな元々音楽が大好きだったのも良かったよね。後半はもう、現場で誰かしら歌ったり演奏していたね
― 恋のドキドキが満載の映画ですが、どんなシーンのドキドキが心に残っていますか?
小関:
ユズたちのバンド“イノハリ”の演奏をモモがテレビで見るシーンは、3人が直接は交わらないけれど、大きく物語が動き始める。曲に乗せて感情がグワ~ッと動きだす躍動感が流れ込むシーンで、すごく印象に残っています
志尊:
僕は泣きながら自転車で走っていくシーンが……本当に苦しくて大変だった。しかもその後、海に飛び込むという……
中条:
あのシーンは本当に切ないね~
志尊:
各々が本当に思っていることを伝えられず、違うことを言ってしまう、その歯がゆさにドキドキするというか。そんな3人が決意するまでの感情の揺れが、いいんです。結末は映画オリジナルでもあるので、大いにドキドキしてください!
中条:
私はラストのライブシーンに最もキュンとしました。それまでは、みんな色んな思いを抱いて演奏していたけれど、あのライブは全員がバンドのため、歌のため、音楽のため一つに繋がれて。少し切ないけれど、本当に感動しました!