―“ノンストップ脱出ミステリー”と銘打たれた3/6公開の「仮面病棟」で、当直医の速水、女子大生の瞳として、2人ともピエロ姿の凶悪犯による病院監禁事件に巻き込まれますね。
永野:
「瞳という役が難しくて、こんなに何度も台本を読み返したのは初めてでした。でも木村(ひさし)監督が、“ここはこうしたほうがいい”と的確にアドバイスをくださったので、それを信じれば大丈夫だ、という安心感もありました」
坂口:
「木村監督から“僕の演出はすごく抽象だ”と言われて。“こうなっているから、こういう演技をしてほしい”というよりも、“こうなっているから”の部分が抜けているんだ、と言われたことがすごく理にかなっている感がして。監督に欲しい画や理想があるので、すごくやりやすく、自由度もあって面白かったです」
―“団結力の強い現場”と永野さんのコメントにありましたが、非常に個性豊かなキャストが揃っていますね。
坂口:
「俳優部がみんな仲よかったので、カメラが回っていない時は他愛ない話をしていました。いい雰囲気の中、いい化学反応が生まれたと思います。後半に向けて高嶋政伸さんの怪演もあり、一緒にお芝居をしていて面白かったです」
永野:
「私は、江口のりこさんに耳元で囁かれるシーンで、“うわ、そう囁くか!!”と耳元でダイレクトに感じてゾわっとしたのを覚えています。全く自分の頭の中にない囁かれ方で、すごく勉強になりましたし、江口さんスゴイな、と思いました」
―お2人が感じている映画「仮面病棟」の魅力とは?
坂口:
「実は意外と悪人がいないところ。みんながみんな自分なりの正義を持っているんです。たとえ屈折した正義でも、そういうチョイスの仕方もありだな、と僕は思いました。そういうヒューマンなものも、ふんだんに入った作品です」
永野:
「私は『3年A組 -今日から、皆さんは人質です-』でも監禁されたばかりで、そういう意味でも『3A』の緊迫した空気に通じるものがあり、またメッセージ性の高さも共通していると思います。実は別の映画でも病院に缶詰めで、昨年は常に監禁されていました(笑)」
―15年に公開された「俺物語」の際、永野さんが“鈴木亮平さんや坂口健太郎さんと再共演できるような女優になるのが目標”とおっしゃっていましたが、軽くクリアしてしまいましたね。
永野:
「すごく不思議ですが、その後もいつも私が大変な時、必ず隣の現場に亮平さんか坂口さんがいらっしゃるんです。朝ドラのときは亮平さんが大河で隣のスタジオにいらして、『3A』の時も隣のスタジオで坂口さんが連ドラを撮影されていて」
坂口:
「僕たちが支えているわけではないけれど(笑)、確かに偶然、隣にいるよね」
永野:
「別の作品だからこそ、“聞いてください~”と話せることがあるので、いつも助けてくれる兄さんたちには、本当に感謝です!」
―最後に、改めて近距離的な目標をお聞かせいただけますか?
永野:
「アルトサックスを始めたので、3年後には“すごくない?”と言われる吹き方をしていたいです!」
坂口:
「いいよね、音楽。僕も本作の撮影中、ピアノをもう一度練習しようかなと言っていたけれど、やってないや(笑)」
永野:
「やりましょうよ! 一緒にジャズバンドを組めるように」
坂口:
「いいね。まだ完全なる素人の2人ですが(笑)」
永野:
「亮平さんには、歌を歌ってもらいましょうよ」
坂口:
「それが目標だね!」