―今回の作品『金の国 水の国』ですが、音楽面で参加が決まった時、率直にいかがでしたか?
Evan:
まず世界観が面白いと思ったので音楽で遊べそうだなということと、深く掘り下げていくと人間的な物語だったんですよね。わたしたちの日常生活とはまた違う世界観・空気感の物語なので、ふたつの国それぞれの色を音楽で出せますし、いろいろ表現できると思いました。キャラクターだけでなく、世界観に寄せて音楽を作れることが楽しみでした。
琴音:
わたしはまず原作を読ませていただいたのですが、真っ直ぐでハッピーな物語だなと思いました。わたしはシンガーとして歌を入れるという役割で、自分自身も劇中歌を歌わせていただくことは初めての経験だったので、不安と期待で、どういう形になるのかなという気持ちでした。
―楽曲はどういう想いで作り、歌いましたか?
Evan:
ナランバヤルとサーラの物語が中心になると思うのですが、ふたりの行動で大きくふたつの国の歴史が変わることをポイントに音楽で表現したいと思いました。ふたりの関係性をメジャーなテーマとして曲を作ったので、心情的な曲が多くなりました。
琴音:
劇中歌ということで映画のバックミュージックに声が入っているイメージだったので、物語であったり、登場人物に寄り添う気持ちや、あとはナレーターのような気持ちというか、俯瞰して雰囲気を作っていく、見守っているようなイメージはずっとありました。
Evan:
派手な曲でもただ盛り上がるだけでなく、優しさや過去に対しての後悔なども感じられるような、この作品に出てくる人間の感情を採り入れたものに集中して作ろうとしていました。
琴音:
普段は自分で曲を作ったりもするので、自分の頭の中にあるものをアウトプットするということが多かったりします。自分の楽曲として出す意味合いが強いので、自分の軸をいかに持てるかなのですが、今回のような場合は、自分の中に「どう歌うか」という想いはありつつも、要望を採り入れ、最終的にどう作るかをレコーディング現場では考えていましたね。
―楽曲が付いて完成した作品を改めて観ていかがでしたか?
Evan:
とても気分よく観れました。作る段階では映像は仮の状態だったので、自分の想像で進めていたところもありましたが、ものすごく映像がきれいだなと思いました。とても細かく描かれていましたし、完成度が素晴らしいですよね。ものすごく魅力的な物語だなと思いました。
琴音:
完成した映画は情報量が多く、シーンの移り変わる瞬間も鮮明に表されている気がして、映像本編だとより分かりやすい気がしました。架空の世界ということは原作と変わらないのですが、原作では「A国(金の国)」「B国(水の国)」だったところに「アルハミト(金の国)」「バイカリ(水の国)」と名前をつけることの親近感など、自分事として受け止めやすい工夫があるなとも思いました。
―おふたりが作品から受け取ったメッセージは何でしょうか?
Evan:
愛の力で世界を変えられるイメージです。ふたりが出会いお互いを好きになり、ふたりの力でお互いの国が変わっていく。わたしたちが今暮らしている世界でも、愛の気持ちを込めて話し合っていけば、いいことが起こるのではないかなと思いました。
琴音:
最初に映画のスタッフさんから真っ直ぐな気持ちや戦争はよくないことを改めて提示したいという説明を受け、映画を観てわたしも確かにそういうメッセージを感じました。この殺伐とした世の中に真っ直ぐな想いの映画が出ていくことで、よい刺激になればと思いました。
―映画館で映画を観る時のこだわりについて教えてください。
Evan:
一番後ろの列に座るのが好きで、その真ん中が空いていればそこに座ります。そこでお菓子を食べながら観るのが好きです(笑)。映画館全体の空気感が楽しめるので、より上のほうに座って観るのが気持ちいいんです。もちろん集中して映画を観ているのですが、アトモスフィア的な感覚もあるのかも知れません。「映画館に来た!」という感じがします。
琴音:
後ろのほうの真ん中で、ちょっと空いている感じで観るのが好きです。普段はほぼ泣かないのですが、実は映画では涙もろくて、弱いんです。でも、泣きそうになると抑えてしまう癖があり、目や顔が赤くなるのをまわりのお客さんに悟られるのが嫌で、そういう席を選びます(笑)。
―最後に映画を楽しみに待っている方にメッセージをお願いいたします。
Evan:
この作品はとても魅力的なので、ふたりの恋や、やさしい嘘が国の未来を変えていく温かい物語を楽しんでいただければと思います。琴音さんの素敵な歌声も楽しんでいただきたいですし、こだわって作りましたので、ぜひ音楽にも注目して観ていただけたらうれしいです。
琴音:
ひとりで行っても、家族と行っても、恋人と行っても楽しめますし、近くにいる人、自分の大切にしたい人、大切にしたいものを思い出せて、優しい気持ちになれるすごく素敵な作品です。多彩な音楽、画も素敵なので、ぜひ劇場で臨場感を味わっていただけたらと思います。