―「3人の信長」(9月20日公開)はとてもユニークな時代劇ですね。
TAKAHIRO:
時代劇は初めてだったんですけど、現代劇に近いところもたくさんあったので、肩肘を張らずに挑めるなと思いました。ただ、謎解きの要素もあって、伏線もたくさん張られているから、台本を読みながら自分はどの信長だったっけ?と思ったり、騙されていたり。でも、それだけに挑戦し甲斐のある作品でした。
市原:
時代劇ですけど、誰が本物の信長なのか? が明らかになるクライマックスまでに、笑えるシーンや涙を誘うシーン、壮絶なアクション・シーンもある。まさに映画のすべての要素を盛り込んだ王道の娯楽エンターテイメントです。
岡田:
設定が面白いですよね。ひとつの作品で、3人の俳優が全員、織田信長を演じることなんてないですから(笑)。撮影に入る前は、これをどうやって画にするんだろう? という単純なワクワクとドキドキがありました。
―どのシーンの撮影が印象に残っていますか?
市原:
拷問のシーンもTAKAHIROさんが芋虫を食べるのをマジマジと見るシーンも、女の人の姿が見える穴を3人で取り合うシーンも全部が濃かったから、どれも印象に残っています。
TAKAHIRO:
芋虫を食べるシーンは本物も使ったけれど、イヤでしたね(笑)。
岡田:
あのくだりは、食べてない僕らが「こってりか? あっさりか?」って味を聞くのも面白かった(笑)。
TAKAHIRO:
笑いをこらえるのに必死でした(笑)。“監督、早くカットをかけてくれ!”と思いながら耐えていましたから。
岡田:
でも、あの面白さは、それぐらい真剣にやっているから出るものだよね。緊張感があったから笑いも起きたと思うし、僕たちが楽しんで演じたから面白いシーンになったような気がする。
―3人が変顔をするところも最高に笑えます。
岡田:
あそこは、僕が最初に監督から「アントニオ猪木さんみたいな喋り方でやってくれ!」って言われて……いや、俺が勝手に猪木さんだと思ったのか?(笑)
TAKAHIRO:
おっ、しゃくれるんだ~と思った(笑)。
岡田:
「しゃくれてくれ!」って言われて、俺が勝手に猪木さんだと思ったんだ(笑)。
市原:
僕たちはそれについていくしかないです(笑)。
TAKAHIRO:
そうそう。でも、現場には意外と緊張感があったので……。
市原:
あれはシュールでした。
TAKAHIRO:
誰も笑わないからね。監督もリハーサルでは爆笑していたのに、シーンとしているから、さっきまでの和やかな空気は何だったの?って(笑)。
岡田:
本当に己を見つめる作業に入っていたね(笑)。