―前作に続いてホワイト・ウィドウ役(ヴァネッサ・カービー)は5年ぶりとなりますが、オファーが来た時はいかがでしたか?
吹替えのお仕事に限らないのですが、続編などで数年後に同じ役を演じる機会はなかなかないことなので、とても光栄に思いました。特に『ミッション:インポッシブル』に関しては、5年前の当時はまだ23歳で正直なところ、吹替えやお芝居の経験がとても浅いところでの挑戦だったんです。なので、悔しい思いをした記憶もあるんです。だからこそ今回、こうして呼んでいただけたことは、純粋にうれしかったです。
―今回、手応えのほどはいかがでしょうか?
当時に比べてですが、多少は感じました。もちろん完璧ではないですし、本職の声優さんは専門職だとわたしは思っているので、声のお仕事は職人さんくらいの本当に素晴らしいお仕事だと思います。ただ今回、当時よりも場数と年齢をわたしも重ねて来ているので、以前言われていたようなことはクリアできているといいなとは思っています。
前回はホワイト・ウィドウをカッコよく女性らしく演じたいと言われていましたが、今回はどういう意気込みで臨みましたか?
ホワイト・ウィドウのキャラクターそのものは、ほとんど変わらないと思うんです。いろいろなことを仲介していて、中間管理職みたいな立場の人間なんですよね。当時は大人っぽく演じてほしいと何度も言われていて、わたしは普通のキーなので、下げて声を出していました。
今の彼女(ヴァネッサ・カービー)が実際35~6歳で、5年前のウィドウと今のわたしが同世代くらいなんです。なのでキャラクター自体は変わってないと思うのですが、そこにプラスしてミステリアスな要素を足したり、イーサンなど男性に対してのアプローチも今回は前回と違うと思ったので、気を付けました。あとは女性らしさ、です。
―『ミッション:インポッシブル』シリーズの魅力については、どのように受け止めていますか?
1作目の時わたしは2歳で、自分の人生とほぼ同じという長いシリーズなのですが、まったく色褪せない映画って、なかなかないですよね。クオリティが変わらないことも凄いですし、なんでこんなにも同じドキドキを全シリーズ続けられるのだろうと思うんですよね。息を呑む瞬間のシーンとか、むしろ増えていますよね(笑)。
―主演のトム・クルーズさんは相変わらず激しいアクションを繰り広げていますが、同じ職業の方としてどのように映っていますか?
いやトム・クルーズさんは、規格外すぎると思います。これだけのアクションを平気でやることってなかなかないですよね。アクションは安全を確保してからの撮影だと思うのですが、トム・クルーズさんにしか出来ないことをやっている。崖を飛び降りるバイクのメイキングも拝見しましたが、あそこまで凍り付きながらやっている現場はないです(笑)。ずっと変わらずにあのパフォーマンスをやれていることが、ちょっと本当に考えられません(笑)。
―ところで普段、映画館で映画を観ることはありますか?
先日、久しぶりに映画館に行きました!原作をまったく読んでいないのに『THE FIRST SLAM DUNK』を観ちゃいましたが(笑)、すっごく面白かったです。映画館ならではの楽しさはありますよね。もともと頻繁に映画館へ行っていたのですが、仕事が忙しくなり、いつしか行けなくなっていました。でも、やっぱりよかったなと。自分とスクリーンが対面する時間、世界だなと思って、映画館に行く回数を増やさないと、と思いました。
―ちなみに今回の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』ですが、映画館で観る方へアドバイスはありますか?
本当にお手洗いへ行っている暇がないと思うので、ぜひ先にすましておくことをおすすめいたします(笑)。本当にセリフひとつひとつも見逃せないですし、展開も早いです。スピード感がある作品ですし、密度も濃いです。常に時間に追われている作品でもあるので(笑)、一緒に運動しているかのような激しい作品。だから見入ってしまうんですよね。
―最後になりますが、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』をご覧になるみなさんにメッセージをお願いいたします。
相変わらずのスピード感が最高です!『ミッション:インポッシブル』は大人気のシリーズなので、シリーズのお約束は分かるとは思うのですが、そのことさえ観ている間に忘れさせてくれるんです。ハラハラ、ドキドキのアクションシーンに息を呑み、観ていて本当にあの世界観に入り込めるような作品になっていると思うので、ぜひ映画館で観てください。あと、スカッとしたい方にもいいかも知れないです(笑)。