THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE10 小池 賢太郎(『劇場版 ゆうとくんがいく』プロデューサー)

『劇場版 ゆうとくんがいく』は、キッズにとって非常にわかりやすい作品になりました

「『劇場版 ゆうとくんがいく』全国のイオンシネマにて5月31日(土)独占上映!」

―ファン待望作の『劇場版 ゆうとくんがいく』ですが、どういう作品に仕上がりましたか?

もともとは1分×26話の短編で、放送時、とても好評を博しました。その過程で今度は映画化しようという声が強くなっていって、今回、53分という長編アニメーションとして新たにお届けすることになりました。『劇場版 ゆうとくんがいく』は、物語としてとても良く出来ています。キッズにとって、非常にわかりやすい作品になったなあと思っています。

―長友佑都選手がモデルの主人公が活躍するストーリーは、どうやって決めていますか?

長友選手とテーマなどを直接お話しさせていただいて、次に映画にするにあたって方向性などを確認し合いました。そもそも「ゆうとくんがいく」は本質的な部分で長友選手と紐付いているキャラクターなので、劇場版でもそこをストレートに扱いたかった。もちろん、オリジナルのストーリーと世界観なので、それに見合った物語を作るということ、ですね。

―長友選手は監修担当ということですが、思いのほか作品に直接関わっているわけですね。

そうです。アニメーションのキャラクターそのものも、長友選手が最終的に決めています。我々が作ったキャラクターのサンプルを何種類かご用意して、本人が「コレ!」と決めています(笑)。ただ、最近ヘアスタイルがちょっと変わってしまったので、びっくりはしましたが(笑)。

イオンシネマならではのサービスが実現すれば、固定のお客様が増えていいと思います

「小池賢太郎(『劇場版 ゆうとくんがいく』プロデューサー)」

―ところで本作は「イオンシネマ」で独占上映ですが、どういった経緯で決定しましたか?

イオンシネマさんのほうでファミリー、キッズ向けの映画を今後増やしたいという声があって、そこと合致したことと、水族館や新幹線のシリーズなどと同様に、キッズが期待するコンテンツになるだろうという予測もありました。映画というカテゴライズしたジャンルではなく、単純に巨大なスクリーンでキッズが楽しめるエンターテインメントでいいという想いもありました。50分強という上映時間も短くて、飽きない。しかもお父さん、お母さんも観て悪いものじゃないというか、そういう考え方が一緒だったということですね。

―イオンシネマはショッピングモールと一体なので、ファミリー層にはうれしい企画です。

そうですよね。全国津々浦々、イオンさんは郊外にも多い。そこでの方向性と、我々はキッズ向けに作品を制作することも少なくないので、そもそも親和性は高かったと思います。この『劇場版 ゆうとくんがいく』が成功すれば、今後もキッズ向けのアニメーション、実写、ジャンルを問わず続けたいですね。ゆうとくんの続編企画とか、夢は持っています(笑)。

―また、イオンやイオンシネマに期待する新しいサービスのアイデアなどはありますか?

実現は難しいでしょうけれど、お父さん、お母さんがイオンで買い物をしている間、一時間くらいキッズだけで映画を観ていられる環境があるといいと思います。託児所じゃないけれど、そういうことが可能なら楽しいですよね。しかも、ポイント制にするアイデアもいい。イオンで買い物してたまっていくポイントで映画が楽しめるとか、新しいと思います。イオンならではのサービスが実現すれば、固定のお客さんが増えて、いいと思います。

“ポップコーン売り場の○○君の今月の観たい映画!”とか、これ面白くないですか(笑)

―観客に最後に映画を届ける、イオンシネマのスタッフたちにメッセージはありますか?

「小池賢太郎(『劇場版 ゆうとくんがいく』プロデューサー)」

たとえば本屋さんみたいに、映画を観たスタッフさんたちの感想が、映画館の中で読めてもいいですよね。単にポスターをベタっと貼るだけじゃなくて、手書きのポップやコメントをいっぱい貼って、それぞれの映画館の手作り感みたいなことを打ち出しても、意外と受け入れられるような気がしています。“ポップコーン売り場の○○君の今月の観たい映画!”とか、これ面白くないですか(笑)。

―イオンシネマは独自のプロモーションを展開中ですが、もっと意思表示をしてもいいと。

そうですね。劇場発信で「これが面白いよ!」という本質的なコメントがあってもいいと思います。意思表示はテレビスポットが主流ですが、イオンシネマさんは思い切ったことをするイメージがあるので、いち映画ファンとして期待します。それこそ今の『劇場版 ゆうとくんがいく』の映画館での宣伝展開を見ていても真剣で楽しげで、見ていて感動さえしますよ。そういう人の温度を感じる宣伝方法や映画館は最高です。差別化にもなります。

―映画をもっと気軽に身近に、楽しく観たい想いは、お客さんの声としてあると思います。

意外と映画って、構えちゃう娯楽だと思います。「来週行くぜ!」とか、ある種気合いが要るというか(笑)。たとえば四人家族で映画を観に行って終わった後にご飯を食べると、それだけで1万以上軽くいっちゃうじゃないですか。だから、もっと気軽な娯楽になればと。

―最後になりますが、今回の『劇場版 ゆうとくんがいく』を通じて、何を伝えたいですか?

今回長友選手のルーツを扱った理由は、キッズに知ってほしいこと、伝わったほうがいいことなど、いろいろな想いを込めました。そういう話を長友選手ともしました。特に彼が一番大切にしていることを、一番観やすいカタチにしました。観て残る感覚は、長友選手が伝えたい感覚になっていると思うので、頑張ろうかなって思ってくれるとプロデューサとしてはうれしいです。どうぞ期待してください!
イオンシネマでお待ちしています!

Profile

【VOICE10】小池賢太郎(『劇場版 ゆうとくんがいく』プロデューサー)/1968年9月12日、東京都出身。制作プロダクション株式会社白組で映画の企画制作を担当する、チーフプロデューサー。主なプロデュース作品としては、本木克英監督作品『すべては君に逢えたから』(13)、是枝裕和監督作品『奇跡』(11)、滝田洋二郎監督作品『釣りキチ三平』(09)、共同プロデュース作品として、新城毅彦監督作品『ただ、君を愛してる』(06)がある。また、2014年6月にはプロデュース作品である前田弘二監督作品『わたしのハワイの歩きかた』の公開が控えている。本作で初のアニメ映画のプロデュースを担当。
© チームゆうとくん・取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

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