―最高の人生の見つけ方」(10月11日公開)は、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演の同名映画を原案にした作品ですね。
「もちろん私も公開時に拝見していました。あの名優2人の主演作として話題でしたし、それは素晴らしい作品です。ただ今回、舞台を日本に移し、主人公を女性2人に変えた時点で、オリジナルを意識し過ぎても仕方がない。この映画の世界観の中で、きちんと演じることが大事であると思いました」
“余命宣告を受けた大金持ちの女社長・マ子”を演じられるうえで、どのようなことを意識されましたか。
「吉永小百合さんが私に声を掛けて下さったとお聞きしたら、やるという選択しかない、ですよ。私は役にあまり共通点を探して役を作らない方で…。台本を読んだ時点で、自分の感覚はどうでもいい。演じる人物は、こういう感情を持って、こういう行動をする、ということを丸ごと受け入れるだけ。AからBにいこうが、AからCに行こうが、“あ、この人は、そうするのね”という納得の仕方です。台本に書かれたことをそのままやり、台本の行間を埋めることが役割だと思っています」
―つまり現場に入る瞬間、天海祐希ではなく、既にマ子が感じて動いている、ということですか?
「そうではなく、大事なのは役者同士の掛け合いかと。瞬間、瞬間、自分たちの感情が動かなければ、お客様に何かを感じてもらうのは無理だと思うので、相手の役者さんが投げて来るボールを感じて、自分の感じたボールを投げるという作業が大事になると思っています」