THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE86 俳優 市原隼人 女優 武田玲奈 俳優 佐藤大志

「おいしい給食」の“唯一無二感”がさらに強く出ていると思う(市原) 淡い恋愛や感動の要素もあって、自分でも驚きました(笑)(武田)

―給食愛をかけて先生と生徒がバトルする異色グルメドラマ「おいしい給食」が、「劇場版 おいしい給食 Final Battle」(3/6公開)になりました!映画としての見どころを教えてください。

劇場版 おいしい給食 Final Battle

市原:

「ドラマではキャラクターを探り、作っていく過程で演技も自然体でやるのか、漫画のようにオーバーにするかなど悩みながらでした。映画版はキャラが完全に固まった上で、またひとつ違うギアを入れて撮影に入れました。だからそれぞれのキャラクターも濃くなっていますし、関係性もよく出ていると思います。さらに輪をかけて『おいしい給食』の唯一無二感がさらに強く出ていると思います」

武田:

「しかも自分でも驚いたのですが、ドラマにはなかった要素――淡い恋愛もあり、感動もありで、さらに“Final Battle”と銘打つくらいですから、給食バトルもヒートアップしています!」

市原:

「今回はどんな戦い方をするのか、どんな熱量を出して来るのか、対決するさまを見て欲しいです!」

佐藤:

「そして給食の物語なのに、“給食がなくなってしまうかもしれない危機が訪れる”という展開になるんです。その後、どうなってしまうかにも注目して欲しいです」

―市原さんが甘利田先生、武田さんが御園先生、佐藤さんが男子生徒の神谷ゴウを演じられています。今回、役としてどんな点に注力しましたか?

劇場版 おいしい給食 Final Battle

市原:

「舞台が84年なので、“日本の古き良き、不器用な男”を変わらず意識して演じました。また、甘利田が給食を好きすぎるゆえに取る行動や巻き込まれる事態が、本人からすると悲劇だけれど、お客さんから見ると喜劇になる、というところを一番に考えました」

武田:

「御園先生は頑張り屋さんで、でも頑張り過ぎて空回っちゃうときもある。今回も、甘利田先生とは対極に居る人、ということを一番に考えながら演じていました」

佐藤:

「ゴウは給食がとにかく好きなので、僕は給食を頑張って食べました!」

市原:

「確かに頑張ってたね(笑)」

佐藤:

「監督から“食べるときに緩急を付けて”と言われていたので、甘利田先生に見せつけるようにゆっくり自慢して食べたり、一気にバ~ッと食べたり、たまにギョロッと甘利田先生を見たりなど……頑張りました」

市原:

「甘利田とゴウの関係が給食を巡るライバルから、距離が近づいて戦友のようになっていったり、甘利田と御園先生の関係が一気に近づいたり、“ザ・エンターテインメント”を感じていただけると思います」

「僕にとって給食は休憩時間という感じ」(佐藤) 「早く食べてお代わりをする人間がカッコいいと思っていた」(市原)

―3人にとって給食とは、どんな存在でしたか?

劇場版 おいしい給食 Final Battle

佐藤:

「小学校のときは給食が美味しくて大好きで、よく友達と好きなものを物々交換しながら食べていました。中学生の今は、給食が休憩時間という感じです」

武田:

「私は好き嫌いもなく、班ごとに食べる給食が好きでした。ただ仲がいい子と一緒になれるわけではないので、席替えはいつもドキドキでした。お代わりにいくのが恥ずかしくて、好きなものが出ても我慢していましたね」

市原:

「僕は、授業時間は学校のもの、給食の時間は自分のもの、と思っていました。みんなでワイワイ話したり、誰が一番早いかを競ったり、牛乳ジャンケンをしたり。早く食べてお代わりをする人間がカッコいいと思っていたので、好きでもないのに必ず牛乳ジャンケンに参加して。勝ったら喜びますが、なぜ飲んでいるのか自分でも謎でした(笑)」

Profile

市原隼人 俳優 >>甘利田幸男役 1987年生まれ、神奈川県出身。 2001年、「リリイ・シュシュのすべて」で主演デビュー。以降、多くの作品に出演。近作に「空母いぶき」(19)、「3人の信長」(19)、「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」(19)、「喝風太郎!」(19)など。今後、BS-TBS「伴走者」、舞台「脳内ポイズンベリー」、wowow「太陽は動かない」の出演作が控えている。また、映像監督・フォトグラファーとしても活躍している。 武田玲奈 女優 >>御園ひとみ役 1997年生まれ、福島県出身。15年、「暗殺教室」で映画初出演。主な出演作に「ポエトリーエンジェル」(17)、「少女ピカレスク」(18)、「人狼ゲームインフェルノ」(18)など。16年からは雑誌「non-no」専属モデルを務めている。 佐藤大志 俳優 >>神野ゴウ役 2006年生まれ、東京都出身。14年にWOWOW連続ドラマ「悪貨」でデビュー。「鉄の子」(16)で映画初出演。舞台やドラマ、CM出演のほか、7人組のユニット「スタメンKiDS」のメンバーとしても活動している。
撮影=野崎航正 取材・文=折田千鶴子

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