―ディズニー100周年記念『ウィッシュ』、日本版声優へのオファーがあった時はいかがでしたか?
これまでたくさんのディズニー作品に出させていただいていますが、100周年記念作品に参加できるかも知れないと聞いて、とてもうれしく思いました。重要なキャラクターと聞いたので恐縮する気持ちと同時にちゃんと出来るのかプレッシャーも感じました。
―『ウィッシュ』をご覧になった感想はいかがでしたか?
改めて、ディズニー100周年記念にふさわしい作品だと思いました。世紀のドラマティック・ミュージカルと銘打っているように、音楽シーンが素晴らしかったですね。そして映像美もすごい、ストーリーも面白い。願いを強く抱くことの大切さ、何者にも奪われるべきではない、支配されるべきではないということを真正面から描いていて、すべてが最高でした。
―新ヒロイン、主人公アーシャの魅力についてはいかがでしたか?
彼女はとても感情表現が豊かで明るい人物で、本当に純粋で強いキャラクターだなと思いました。「これは違うのでは?」と気付いてもなかなか声を上げられないと思うのですが、それを実行に移して立ち上がれる強さがあります。でも普段はとても優しくて、家族想いで友だち想い。そして自分の願いではなく、みんなのために立ち上がるヒロインでもあるんです。
―今回演じられた子ヤギのバレンティノは、アーシャの相棒的存在です。
アーシャのことがとにかく大好きで、生まれた時から一緒にいるような関係性ですね。生まれてからまだ三週間しか経っていない子ヤギなのですが、アーシャはバレンティノをとても可愛がっています。ぜひ話してみたいと思っていて、彼もそれを強く願っていたのでしょう。スターの魔法を受け話せるようになったら、なぜかおじさんの声だったという(笑)。
―おしゃべりなキャラクターなので、どのシーンも楽しく拝見しました。
クスッと笑えるようなシーンがいくつかあるんですよね。去り際などでポツンと一言言うセリフが、面白い。映画館で日本版を観ているお客さんが笑ってくれたらいいなと思って頑張りました。生後三週間で「そんなこという!?」と思うかも知れませんが、子ヤギなりにしっかりといろいろなことを考えていたわけですよね。
―ちなみに映画館で映画を観る際、こだわりの鑑賞スタイルはありますか?
僕は後ろのほうの座席が好みですね。ポップコーンやホットドックなどを買うことも多いです。それと僕はとても寒がりなので、薄着ではいかない。思った以上に一枚持って行くなど、体温調整をします。暑い寒いを考えてストレスになりたくないので、そういう準備はしますね。ただ、不思議なもので、映画館は端でも前でも、どの座席で観ても楽しめるようになっている。自分の好きな作品だと集中して気にならなくなりますよね。
―日本版は、アーシャ役の生田絵梨花さん、マグニフィコ王役の福山雅治さんの歌唱シーンも話題ですが、楽曲が素晴らしいですよね。
その通りです。どの曲も終わった後、拍手したい衝動に駆られました! 試写室だったので我慢しましたが。それこそ舞台でミュージカルを観ている時と同じ感情になりました。みなさんもそんな衝動に駆られると思います。拍手OKみたいな、そんな上映の機会もぜひ作ってほしいと思います。
―これまで数多くのディズニー作品で吹替えを担当されてきましたが、一番印象に残っているキャラクターは何でしょうか?
一番は『アラジン』のジーニーでしょうかね。ウィル・スミスの実写版でも演じさせていただいて、東京ディズニーシーのアトラクション「マジックランプシアター」もそうです。「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート」では「フレンド・ライク・ミー (ボクは大親友)」を毎回歌わせていただいています。そのおかげで歌番組でも歌わせていただきました。それは全部『アラジン』のおかげですから、ジーニーが一番思い入れがあるキャラクターだと言えますね。
―最後になりますが、ディズニー100周年記念作『ウィッシュ』を、イオンシネマでご覧になる方たちにメッセージをお願いいたします。
願いを抱き続けることの大切さを真正面から描く素晴らしいストーリーです。そして何人たりともその願いを踏みにじられることがあってはならないのだという、作品でもあります。ぜひ劇場の大スクリーンでご覧ください。