―「居眠り磐音」(5/17公開)で、初の本格時代劇出演に際して思われたこと、所作を含めて準備されたことなどを教えてください。
ずっと時代物をやりたいと思っていたので、嬉しかったです。周りが“性格が古風だし、きっと似合う”と勧めてくれていて、その気になっていただけですが(笑)。すべてが初めてだったので、かつら合わせに始まり、衣装の着方を教えていただきました。所作については武家の娘ではないので、決まり事はさほど多くなく助かりました。先生が下駄を履いて京都の撮影所の敷地内を歩いてみましょうと、一緒に一周した時に、“ここの住人になれたんだ”と思えました
―ちゃきちゃきした町娘・おこんがとても魅力的でした。物語にリズムをつけ、みんなを繋げる役割を担っていますね。
私自身の性格は割と“月”側の人間なので(笑)、“太陽が似合う女性”とト書きされたおこんのような役をいただけて、余計に嬉しかったです。おこんの“深川の女”というポイントを、監督をはじめみんなで大事にしました。例えば小道具さんは、帯に入れた財布から鈴を少し出してみようなど、当時、流行の最先端にいた深川の女の“粋”を、みなさんが作ってくれました。所作の先生からも、怒る時や恥ずかしがる時など、着物の“たもと”を使うといい感情表現になるとアドバイスをいただいて、たもとを使うようにしたり。また、基本は真っ直ぐ立つのが美しいとされていますが、少しだけ片方の足の踵を浮かせて立つのが“粋”だよ、など教わって。そういうものを、1シーンごとに組み込みながら演じました
――悲しい過去を背負った主人公の磐音が身を寄せる、長屋の大家さんであるおこんの父・金兵衛との掛け合いが、下町情緒や人情に溢れていて非常に楽しいシーンになっています。演じられた中村梅雀さんとは、どんな話をされましたか。
初の時代劇で、一人で京都に長期滞在になり委縮していた部分もあったのですが、梅雀さんが本当のお父さんのように接して下さって。もしお父さん役が梅雀さんでなかったら、違うおこんになっていたかもしれないと思うくらいです(笑)。実は、京都って何を食べても美味しいから、逆に何を食べに行けばいいか分からなくて困っていると打ち明けたら、梅雀さんがお店をリストアップして下さったんです。しかも“日本酒が美味しいお店”“会話がいけるお店”とか書き添えてあって。実際に、本当に美味しくてアットホームでしたね