―25年も続いてきた舞台「星屑の町」シリーズの映画化にあたって、ヒロインに抜擢された感想を教えてください。
「こんなすごい方たちが集まった作品に参加できるなんて、そうそうないので、すごくワクワクしました。25年も続けて来られた舞台なので、皆さん結束力が強く、そこに入るのは緊張しましたが、控室も和やかで。普通のお喋りでさえ、映画にできるくらい面白くて。出来上がった世界観を壊してはいけないと、緊張し、借りて来た猫のように居ました。でも実は、私が監督した『おちをつけなんせ』で、お母さん役を演じていただいた春木みさよさんが、初演舞台で、私が演じた愛ちゃんを演じられていたと知り、運命的な繋がりを感じました」
―地方回りの売れないコーラスグループ“ハローナイツ”を演じた、小宮孝泰さん、大平サブローさん、ラサール石井さん、でんでんさん、渡辺哲さん、有薗芳記さんたちとの思い出は?
「皆さんすごく優しくて、気さくに話しかけてくださいました。ラサールさんは、私が雑誌で『スパイダーマン:スパイダーバース』を熱く語っていた記事を読んでくださって、そのプリントパーカーをプレゼントしてくださいました」
―歌手になるという夢に破れても前向きな愛ちゃんを演じた感想は?
「怒る時は思いきり怒り、悩むときはすごく悩む。感情を出すことを躊躇しない子なので、気持ちがよく、清々しかったです。ただ、歌を歌わなければならない、という大変さはありましたが……」
―その昭和ムード歌謡の熱唱が素敵でした!
「最初は、私一人で担うのは荷が重いと心配でしたが、とにかく練習に打ち込んで、どうにか自分なりの歌になったんじゃないか、と思いました。「新宿の女」や「恋の季節」などもすごい歌詞ですが、そこも挫折した愛ちゃんの気持ちと重ねていければいいな、と。「ほんきかしら」は原曲を聞き、動画を見て、首を傾げる仕草なども研究しました」
―ギターで弾き語りをするシーンもありましたが、カッコ良かったですね。
「あれも“のんがギターを弾けるから”と始まった部分でしたが、エレキはずっと弾いてきましたが、アコースティックに触った経験があまりなかったので不安でした。しかも弾き語る歌がすごく難しかったので……。でも、挑戦できてよかったです」