THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE05 夏帆(女優)

菜穂子は目が見えない設定なのでハードルが高い作業でしたが、ストーリーがすごく面白かったので素敵な作品になるだろうという期待でいっぱいでした

―今回ブルーレイ&DVDで発売になった感動作『箱入り息子の恋』は、劇場公開時も大変な評判でしたよね。奈穂子を演じた夏帆さんの元には、どのような感想が届いていましたか?

箱入り息子の恋

とてもありがたいことに男性からも女性からも、よかったという感想をいただきました。今回は健太郎役の星野源さんとの共演が楽しみだったことと、市井(昌秀)監督の作品をクランクインする前に観させていただいて、すごくよかったので本当に楽しみな作品でした。
菜穂子は目が見えない設定なので、わたしの中ではハードルが高い作業でしたが、ストーリーがすごく面白かったので素敵な作品になるだろうという期待でいっぱいでした。現場が待ち遠しかったほど思い入れがあるので、温かい感想をいただくと本当にうれしいです。

―今回の奈穂子は目が見えない女の子ですが、その設定を自然に表現していましたね。目が見えない演技をマスターするために、どういう準備をするのでしょうか?

目が見えない方に実際にお会いしたり、資料を読んだり、いろいろと勉強して撮影現場に入りました。参考までに、『至福のとき』('02)、『暗いところで待ち合わせ』('06)、『暗くなるまで待って』('67)、『街の灯』('31)などの映画も観ましたね。主にヒロインが盲目の作品を観ました。目の見えない作品を、勉強のために観ていました。撮影中は基本的には任せていただいていたので、自由に表現させていただきましたが、自然に見えていればいいなあと思っていました。

―その菜穂子に恋をする主人公が、星野源さん演じる健太郎ですよね。初めての恋に暴走する健太郎の姿はぶざまで少々滑稽ですが、女子としては彼の姿は、どう映っていますか?

恋愛にも自分の人生にも一生懸命に突っ走っていて、その姿はいいなあと思いました。
でも、健太郎は初めちゃんとしていますが、奈穂子の登場でどんどん壊れてしまいますよね(笑)。ただ、わたしは奈穂子を演じていたので、彼女目線の健太郎として見ていましたね。

―なるほど。では、ブルーレイ&DVDで発売になった今、健太郎は異性としていかがですか?

その質問、公開前のインタビューでもすごく聞かれましたけれど(笑)、実際自分がどうかってうことは、その時になってみないとわからないです(笑)。
でも、映画の中でもがいている姿を観て、健太郎は素敵だなと思いました。奈穂子さんに会うために走っている姿を観ていて、素直に感動しました。
頑張れ!って、応援したくなる男性ですよね(笑)。物事に一生懸命になっている人って、素敵ですよね。観ていて、心動くことはあると思います。

映画を観てくださる方と実際に触れ合えることは、楽しいですね 映画館のイベントで皆さんの顔が見られると、素直に感動しますよね

―ところで、イオンシネマをはじめ現在の映画館はシネコン全盛時代ですが、映画館で映画を観ることはありますか? また、映画館で映画を観ることの醍醐味は、何でしょうか?

「夏帆(女優)」

はい。時間がある時は、映画館へ出かけます。仕事のためもありますが、趣味で観ています。
上映中の新しい映画だけでなく、リバイバル的な古い作品も観ますね。この仕事をしているからという理由だけじゃないですが、DVDで観たことがある映画を映画館でもう一度観ると、全然印象が違いますよね。音響が全然違う、情報の量も多い。環境が全然違いますよね。
それに、知らない人と一緒に映画を観ることも面白いですよね。『箱入り息子の恋』は行けなかったですが、自分が出た映画をプライベートで観に行くこともありますよ(笑)。

―それと、キャストやスタッフの方は、初日舞台挨拶というイベントで、公開初日にシネコンでお客さんと直接触れ合いますよね? 独特だと思いますが、どういう気分ですか?

うれしいような、さみしいような不思議な感覚ですね。その日から映画館に行くと、自分の出た映画が上映していて、チケットを買って観ることができる――ついに、ここまで来たかって感じですね(笑)。皆さんにお見せできるところまで来たかという、達成感と充実感を感じています。『箱入り息子の恋』の時にも思いましたが、撮影後1年後の公開だったので、1年前のことを思い出しました。それは、キャンペーンで回ることで沸いてくる特別な感情なので、わたしにとっての映画館は、そういう意味でも特別な場所だと思いますね。

―キャンペーンで回ると言えば、以前映画『きな子~見習い警察犬の物語~』公開の時に、舞台挨拶として旧ワーナー・マイカル・シネマズ綾川にお越しくださいました。完成した映画を持って作品ゆかりの土地を訪ねることも、かけがえのない経験になるでしょうか?

そうですね。映画を観てくださる方と実際に触れ合えることは、楽しいですね。なかなか各地の方々にお会いする機会ってないじゃないですか。
きな子は香川県で撮影したので、あの時は映画の舞台になった地元の方々にもう一度お会いできるということで、そういう形でまた香川に戻って挨拶ができることはうれしかったです。イベントで皆さんの顔が見られると、素直に感動しますよね。

ファンの方々が観てくださるから、この仕事は初めて成立する――シネコンやイベントの機会が増えることはいいことだと思います

―また、こうした映画館でのイベントが増えることは、女優の仕事にも好影響でしょうか?

「夏帆(女優)」

いいと思いますね。お客さまが感動してくださっている姿を見ると、わたし自身も感動します。ファンの方々が観てくださるから、この仕事は初めて成立するので、シネコンやイベントの機会が増えることはいいことだと思います。

最後になりますが、『箱入り息子の恋』を待っている方々へメッセージをお願いします!

映画館でご覧になった方もそうでもない方も、今回は映像特典が盛りだくさんなので、期待してください。
メイキング映像を観て、改めて本編を観れば、また違った印象になることもあると思うので、いろいろと楽しめると思います。ブルーレイとDVDで、何度も繰り返して観てほしいです。ちょうど12月で、年末はクリスマス!
イベントが多いと思うので、何かの折に観ていただければと思います。観終わった後、温かい気持ちになれますよ!

Profile

【VOICE05】夏帆 女優 1991年6月30日、東京都生まれ。小学の時にスカウトされ、芸能界へ。2004年にドラマデビュー。以降、『天然コケッコー』(’07)、『うた魂♪』(’08)、『砂時計』(’08)など映画でも活躍中。また、2014年3月、東京・パルコ劇場を皮切りにスタートする舞台、パルコ・プロデュース公演<<ねずみの三銃士>>第3回企画公演「万獣こわい」に出演する予定。
©(C) 2013「箱入り息子の恋」製作委員会/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

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