―今回の『おいしい給食 Road to イカメシ』は、ドラマ版を経ての出演でしたが、最初に人気シリーズへの出演が決まった時はいかがでしたか?
作品のファンの方がたくさんいらっしゃるシリーズなので、恐れ多いとう気持ちになりつつ、スタッフ、キャストのみなさん、そして作品ファンの皆様に負けないくらいの作品愛を持って現場に入ろうと思いました。
作品に携わるすべての方たちが作品愛を持っている現場だったので、 ワンカットを撮るにあたっても、それぞれの部署の方がそのワンカットに思いを込めて撮影している、そんな撮影でした。それは当たり前のようでなかなかないことだと思うので、とても印象的でした。
―演じられたのは、英語教師の比留川愛というキャラクターでしたが、どのような思いで演じられましたか?
1980年代の昭和の物語なので、まず役作りとしては、所作であったり、声のトーンを意識して演じさせていただきました。あとはヘアスタイルもいわゆる“聖子ちゃんカット”に似せて作っていただいているので、役柄に合わせて自分のヘアスタイルも変えて作品には入らせてもらっていました。
彼女は新米教師ということで、教師らしくない教師。頼りなさだったり、弱さがあるキャラクターだと思うのですが、わたしのなかでの昭和の女性の方々のイメージは、奥ゆかしさの中にも強さ、芯があるイメージなので、そこを大事に演じさせていただきました。所作としても教師ということで、柔らかく大きく、人に伝えるという意識を持って演じさせていただきました。
―普段、映画館で映画を観られますか?
ジャンル問わず観ています。地方の撮影で泊まり込みでも、仕事の空き時間に近くに映画館があるかを調べて、土地土地で行ったりしています。日本映画も洋画も関係なく、常に新作は追うようにしています。
―映画館で映画を観る際に、自分だけのこだわりの鑑賞法はありますか?
ポップコーンなどの甘いものを食べながら観たいとは思うのですが、基本的に引かれるジャンルがポップな映画よりも、暗めの映画が好きなので、そういう作品を観る際は何も食べずに必死に我慢しています。でも、今回の『おいしい給食 Road to イカメシ』は、とてもお腹がすく映画なので、ぜひ鑑賞のおともにポップコーンなどをいただいてほしいです(笑)。
―映画館で映画を観る醍醐味は、どういうところにあると思いますか?
最近は映画に限らずサブスクであったり、どんな作品も手軽に観られる時代だとは思うのですが、すべてを遮断して映画館でひとつの作品に浸れるということに、やっぱりどんな時代になってもわたしは魅力を感じます。
『おいしい給食 Road to イカメシ』は、ドラマから映画という流れのある作品ですが、映画館で観る映画になると、そのキャラクターの息の音や足音などもお芝居に乗っかってくる感じがします。わたし自身も今回拝見してそう感じたので、そこは魅力かなと思っています。
―本シリーズは初期から一貫して給食を食べることの大切さをはじめ、人間にとって基本的に大事なことをテーマにしていますが、ご自身が受け取ったものはありますか?
わたしが給食を食べていた時期は小学生の頃だったのですが、その時は食べることがとても遅くて、昼休みになってもひとり机を下げて残って食べているような感じだったんです。「給食は戦いです!」って、この映画でも給食と戦っている生徒の子が出て来るのですが、わたしもまさにその小学生の当時は彼のような気持ちで、給食は戦いというイメージでした。なのでこの作品に出会って、甘利田(市原隼人)先生のような方が実際にもいたらいいなとは思いました。
―甘利田先生は給食至上主義で、キャラクターとしては面白く描かれいてますが、一途な愛情みたいなものは観る人の心に響きますよね。
甘利田先生は一見すると給食のことだけを言ってるようで、教育であったり、社会に対しても鋭く指摘するようなセリフもあったりするので、給食だけでなく、すべての世代の方に必ず刺さるセリフがある作品だと思います。
―最後になりますが、映画を楽しみに待っている方たちへメッセージをお願いいたします。
笑って泣いてお腹が空く給食スペクタクル・コメディーというジャンルがこの映画で題されていると思うのですが、まさにその通りだなと思います。給食というものを通していろいろなドラマが描かれているので、どの世代の方にもぜひこの映画のメッセージを受け取っていただけたらと思います。