―今回の映画主演作『あのコはだぁれ?』ですが、オファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
ホラー映画の主演は、自分自身でも不安と怖さがありました。でも、以前NMB48と吉本新喜劇で上演した「ぐれいてすと な 笑まん」というコラボミュージカルを観に来てくださった松竹の方が、わたしのことを観て『あのコはだぁれ?』にオファーしてくださったというお手紙をいただいて。そのおかげで素直に自分のままでいればいいと思えました。
―演じる君島ほのかは、補習クラスを担当する臨時教師役でしたが、どのようなキャラクターだと受け止めて演じたのでしょうか?
直面する恐怖の真相を追求すると同時に、恋人や生徒を守るため、だんだんひとりの女性として強くなっていきます。そういう成長も描かれていると思いました。怖いだけじゃない、人間の成長も描かれているので、みなさんも一緒にほのかの目線になって、怖がりながらも立ち向かっていただけたら、怖いだけでなく、共感する楽しみ方もあると思いました。
―映画初主演ということでファンの方の反応もあったかと思いますが、どのように受け止めていますか?
「凪ちゃんが主演だからうれしいけれど、ホラー映画怖い~!」という声をたくさんいただいたり、わたしの友だちにも「観たいけれど、怖い~!」という声もいただいています(笑)。今回で言うと学校の中が舞台なので、みなさんの日常に潜んでいる恐怖が描かれるので、より身近に感じる分、余計に怖く感じるかも知れないです。
―普段、映画館で映画を観ることはありますか?
空き時間によく観ています。観たい映画がちょうど空き時間に上映していると、とてもうれしくなります。『ラ・ラ・ランド』のようなミュージカル、恋愛や人生、いろいろなものが詰まっている作品が好きです。
―映画鑑賞の際、こだわっていることはありますか?
わたしはひとりで映画館に行くのですが、人があまりいないところの一番端の席、一番後ろの席でよく観ています。最近だと『哀れなるものたち』が好きすぎて2~3回観たのですが、席が空いてなくて。初めて一番前の席で観たのですが、首がしんどいかなと思ったら、迫力がすごいあって、めちゃくちゃ楽しくて。前方もいいなと発見がありました。
―ちなみに今回の『あのコはだぁれ?』、映画館に観に行きますか?
もちろん行きます! 昔から映画を観ていて、いつかこのスクリーンに自分が映ったらいいなと思っていたので、その夢がもう少しで叶うと思うと本当にわくわくしますね。お客さんがどういう反応をしてくださるのか、どういう方々が観に来てくださっているのか気になるので、暇さえあれば映画観に足を運び、違う見方で楽しみたいと思っています。ひょっとしたら映画館にわたしが潜んでいるかも知れません(笑)。
―ホラー映画の巨匠である清水崇監督とのお仕事はいかがでしたか?
ホラーを作られている方だからか面白い方と言いますか、常人では作れないと思うんです。あれだけの数の名作を生み、ホラーの巨匠と言われる方ですから、その発言や感覚には引き込まれるものがありました。清水監督とお話をしていて楽しかったですし、監督自身ホラー映画に対する誇りも持ちながら、わたしのアイデアに対して、一緒にセリフについても考えてくださったり、一緒にセッションしてくださいました。そうやって監督が手を引っ張ってくださったので、初主演でも不安はなく、分からないことは聞いて終始、寄り添ってくださいました。
―先ほど共感性があると言われていましたが、ご自身はどういうところに共感しましたか?
ほのかは臨時教師としてやって来るのですが、一度教師を辞めているんですね。その過去を想像して役を作っていくと、正義感が強く、人に寄り添いすぎたがために事件に巻き込まれていくのじゃないかと考えました。自分がこれだと思ったら突き進んでしまうことで誰かが傷ついてしまうことって、人生ではあると思うんです。正義感があっていい人である反面、それがよくないことを招いてしまい、葛藤してもがいている。それでも自分を信じていかなくちゃいけない姿は、今の自分ともリンクしているなと。不器用で自信がなくても、わたし自身がどうにかしなくちゃいけないという勇気は、ほのかから学んだことですね。
―最後になりますが、映画を観る方へメッセージをお願いいたします。
清水監督の『ミンナのウタ』を知っている方はより楽しめますが、『あのコはだぁれ?』は『ミンナのウタ』のDNAを受け継いでいる作品ということで、観ていなくても楽しめる作りになっています。学園ホラーなので学生のみなさんは友だちみんなで観に来ていただいて、楽しんでください。スクリーンには誰よりも怖がっているわたしがいるので(笑)、わたしが演じた君島ほのかの目線になって一緒に体験しながら恐怖の違和感を感じてください。