―エンタテインメント時代劇「引っ越し大名」で、星野さんが主役の書庫番をする引きこもり侍・春之介を、高橋さんはその幼馴染で武道の達人・
鷹村を、高畑さんは春之介に手を貸す於蘭を演じられました。それぞれの人物像について考えたことを教えてください。
星野:
春之介は、とてもモダンな人物だと感じました。当時の人々は、性別や階級の別なく“みんな同じ”と思っているがゆえに、春之介はルールや常識から外れてしまっていて生きづらい。けれどもそれって僕らが生きている現代の価値観、つまり未来に繋がっているわけで。そんな彼が“引っ越し奉行”というポジションを与えられたことで、その変な部分が周りにも影響を与え、時代を変えていくわけです。それが彼のカッコよさであり、魅力的な部分だと思いました
高橋:
対して鷹村は、その時代の規範や規律に従って生きている男。ただ、近くに居る“異端”の春之介に対して、どこか引っかかっているし、どこか影響されてもいて。春之介の気づきや言葉が波紋としてその時代に流布することを、鷹村は無意識のうちに補佐しているとも思いました。鷹村は豪胆でガハハと笑っていますが、ただのバカじゃない部分、人間としての繊細さや奥行をお芝居に乗せたつもりです
高畑:
於蘭さんは、強いから優しいし、優しいから強い人だな、と。優しさが過剰でないところも良くて。守るものができたら、あんなに強くなれるのかな、あんな風になれたらいいな、と女性としてすごく憧れます
星野:
そもそも於蘭は、人間力が春之介の5倍くらいあるからね(笑)。
男の人が憧れずにいられないミューズ。彼女の強さは、充希ちゃんの内から出て来る強さに繋がっていると思いました