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『桜ノ雨』の主演・遠野未来役を演じていかがでしたか?
今まで彼女のような内気な役柄を演じたことが初めてだったので難しかったですが、だからこそいい経験になりました。今回は特に学ぶことがたくさんありました。街や電車で仕草や眼差しなどを人間観察して役作りをしました。リアルに表現がしたかったので、細かい部分もリサーチしました。演じる役の幅を広げていきたいと思っていたので、とてもいい機会をいただけたと思っています。
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映画初主演ということでしたが、いわゆる“座長”の感想はいかがですか?
皆を引っ張って行く前に、足を引っ張らないようにしようと思いました(笑)。いい人だと思われたくて、普段はあまりしないけれど、共演者の方に自分から声をかけました。セリフが少なかった分、表情のお芝居が多かったので不安はありましたが、ちょっと気持ちに余裕が出始めた頃に周囲を見渡すと、たくさんのスタッフの皆さんに支えられているんだなと感じました。お芝居はスタッフの皆さんがいて成り立っていることを改めて感じました。
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女優として覚醒、という感じでしょうか?
本当に覚醒しました(笑)。特に今回の作品では学ぶことが多かったので、そこで吸収できたことは今後の作品に活かしていきたいと思います。撮影中も監督と話し合いを積極的にしていました。だから今回、達成感が強かったです。
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普段、映画は観られますか?
よく観るほうだと思います。最近では『ロミオ&ジュリエット』(96)、『LUCY/ルーシー』(14)とか、後は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)とか古い映画も観ています。『ロミオ&ジュリエット』(96)は舞台で知っていて、前から気になっていた作品でした。ラストのすれ違いに、感情を奪われるほど感動しましたね。
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映画館には行かれますか?
よく行きます。お休みの日や昨年は地方ロケが多かったので空いた時間によく行きました。洋画も邦画も観ます。映画館に行くと、まず飲み物を買ってポップコーンです。『Zアイランド』(15)の舞台挨拶の時、木村祐一さんが買ってくださって、映画館はポップコーンだよねって、キャストの皆で美味しく食べました。その時、皆で映画館に行きたいと思いました。普段一人で行くことが多いので、友だちと観て「あのシーンが」「泣いちゃった」とか言ってみたいです。
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映画館に新たに期待するサービスなどはありますか?
劇場の中にアイス屋さんがほしいですね(笑)。アイスを食べながら映画を観られたら、最高じゃないですか。シリアルも食べたい。(笑)。でもアイスだと、うれしいけれど、2時間持たないです(笑)。それとフルーツ。イチゴを売っていたら、わたしは絶対買います(笑)。
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さて、『桜ノ雨』はストレートですが、力強い青春映画でした。
本当にきれいで純粋な青春映画ですよね。この「桜ノ雨」の歌詞と、わたしの中学時代がシンクロするんです。一曲通して聴くだけで泣いちゃうんです。何かがこの歌にはあるんです。毎回毎回、感動しちゃう。
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同世代の共演者が多いと、刺激を受けることもありますか?
皆さん個性的すぎて、いろいろな刺激を受けました。この人はどういう考え方をするのかな? とかいろいろと考えることが楽しかったし、いろいろな刺激を受けました。本当にいい現場でした。特にメインキャストのみなさんとは控室が一緒だったので、いろいろとお話をさせてもらいました。浅香さんはお兄ちゃんのようにすごく頼りがいがありましたし、同じ事務所でずっと共演したかった(久松)郁実ちゃんもお姉ちゃんみたいで。広田くんはみんなにイジられている姿が面白くって、完全にムードメーカーでした(笑)。他の合唱部のキャストも個性的な子が多くて、そういった方々といろんな話をするのが本当に楽しかったです。
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その想い、皆さんのコラボレーションは、観る方に伝わると思います!
映画を観る方に、こういう淡い青春があったなあと思ってほしいです。自分が主演だからというのではなく、本当にわたしはこの映画の歌とストーリーが大好きなんです。観てくださる方一人ひとりが、この作品、この歌を通じて、いろいろなことを感じられる内容になっているんじゃないかなって思います。いつまでも残る作品になったらうれしいなあと思います。学生の方々にはこの映画を見てたくさんの学校の卒業式で「桜ノ雨」を歌っていただけたらうれしいですし、大人の方には、学生の頃を思い出していただけたらうれしいです。